交通事故の損害についてよくあるご相談

すぎしま法律事務所(岐阜市神田町1−8−4)
弁護士 杉島健二(岐阜県弁護士会所属)


Q2.交通事故の人身損害の損害賠償額の基準について

Q2−1 交通事故による人身損害の損害賠償額には、いくつかの基準があると聞きました。どのような基準があるのですか。
Q2−2 いわゆる自賠責基準とは、どういうものですか。
Q2−3 任意保険基準とは、どういうものですか。
Q2−4 弁護士会基準とは、どういうものですか。


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Q2.交通事故の人身損害の損害賠償額の基準について


Q2−1 交通事故による人身損害の損害賠償額には、いくつかの基準があると聞きました。どのような基準があるのですか。

 交通事故による人身損害の賠償については、次の3つの基準があります。

@自動車損害賠償保障法による支払限度額及び支払基準
 (いわゆる「自賠責基準」といわれることが多いので、このホームページでも、この語を用いることとします。)
A任意保険基準
B弁護士会基準
です。

 そして、おおまかにいうと、@自賠責の支払基準が一番低く、B弁護士会基準の額が一番高く、 A任意保険基準の額が@とBの中間です。

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Q2−2 いわゆる自賠責基準とは、どういうものですか。

 一般に、自賠責基準という用語が用いられる場合、自賠責の保険金額の支払限度額という意味と、 自賠責の保険金額の支払基準という意味の2つの意味のどちらかを指していることが多いと思われます。
 そこで、まず、自賠責の保険金額の支払限度額について、説明します。
 自動車損害賠償保障法は、一つの交通事故について支払われる保険金額の限度額を定めています。 例えば死亡による損害は3000万円を限度とし、後遺障害等級を伴わない傷害による損害は120万円を 限度としています(自動車損害賠償保障法施行令2条1項1号、同項3号イ)。 また、後遺障害等級を伴う傷害による損害は、第1級から第14級までの等級に応じて、 第1級の3000万円(介護を要する後遺障害の場合は4000万円)から第14級の75万円まで 段階的に支払限度が定められています(自動車損害補償法施行令別表T、Uを、参照。) 自動車損害賠償保障法が保険金額の支払限度額を定めているのは、同法が交通事故の被害者のいわば 最低保障を制度趣旨としているからです。ところで、自賠責の保険金額の支払い限度があるということは、 交通事故によって実際に発生した損害が自賠責の支払限度を超えた場合であっても、その超えた分については、 自賠責保険から支払われないということを意味しています。そこで、自賠責の保険金額の支払限度を超える部分 をカバーするための任意保険の存在がとても重要となってくるのです。
 次に、自賠責の保険金額の支払基準について、説明します。
 自動車損害賠償保障法16条の3は、自賠責保険会社が保険金を支払う際の支払基準を定めることを 内閣総理大臣らに命じています。この法の規定によって定められたのが、「自動車損害賠償責任保険の保険金及び 自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」(平成14年4月1日施行)で、いわゆる自賠責の「支払基準」 と呼ばれるものです。
 この自賠責の「支払基準」は、死亡、後遺障害及び障害の別やこれらの程度に応じた具体的な保険金額の基準を定めています。
 ですので、自賠責の保険金は、自賠責の「支払限度」の枠内で、具体的な事案に応じた自賠責の「支払基準」 に従って、支払われることになります。

※「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」については、 国土交通省のホームページを参照してください。 ↓↓↓↓
http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/resourse/data/kijyun.pdf

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Q2−3 任意保険基準とは、どういうものですか。

 任意保険基準とは、各保険会社が独自に定めた支払基準です。
 任意保険基準については、1997(平成9)年9月までは、ほとんどの保険会社に共通する統一的な 基準が設けられていました。しかし、現在では、独占禁止法の観点から、このような統一的な基準は用いられていません。
 任意保険基準は、各保険会社が独自に定めた基準ですが、総じて、後述する弁護士会基準よりは低いものとなっています。

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Q2−4 弁護士会基準とは、どういうものですか。

 弁護士会基準とは、財団法人日弁連交通事故相談センターの採用している基準で、
@同センター本部が発行している「交通事故損害賠償額算定基準」(い
 わゆる「青本」。)という書物の基準と、
A同センター東京支部が発行している「民事交通事故訴訟 損害賠償額
 算定基準」(いわゆる「赤い本」。)という書物の基準
があります。
 どちらも、交通事故に関する多くの裁判例を調査分析して、現在の裁判例の一応の基準として公表 されているものですが、「赤い本」は東京の基準で、「青本」は全国の基準という性質があります。

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