交通事故の損害についてよくあるご相談

すぎしま法律事務所(岐阜市神田町1−8−4)
弁護士 杉島健二(岐阜県弁護士会所属)

Q1.損害の種類について

Q1−1 交通事故による損害には、いろいろな種類があると聞きました。どのような種類があって、どのように分類されるのですか。
Q1−2 交通事故によって傷害を負ったときの損害の種類について、簡単に教えてください。
Q1−3 交通事故によって傷害を負ってしまったのですが、治療によっても完治せず、後遺障害等級認定を受けました。Q1−2の回答で説明された以外の損害があると聞きましたが、どんな損害があるのですか。
Q1−4 死亡事故の場合の損害の種類について、簡単に教えてください。


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Q1.損害の種類について


Q1−1 交通事故による損害には、いろいろな種類があると聞きました。どのような種類があって、どのように分類されるのですか。

 交通事故による損害は、被害を受けた客体、損害の内容や性質などの観点から、いくつかの種類に分類されます。
 まず、被害を受けた客体に着目した場合、人の生命や身体に損害が発生したときの人身損害と、車などの物に 損害が発生したときの物損に分類されます。
 次に、発生した損害の内容に着目した場合、財産的損害と精神的損害に分類されます。この財産的損害というのは、 財産的、経済的な不利益が生じてそれが金銭によって見積もることが可能な損害をいいます。なお、この財産的損害は、 次に述べる積極損害と消極損害の2種類に、さらに分類されます。これに対して、精神的損害は、苦痛や不快感など 本質的には金銭に見積もることができない損害をいいます。
 最後に、発生した損害の性質に着目した場合、積極損害と消極損害に分類されます。積極損害というのは、交通事故 により支出を余儀なくされた損害をいいます。治療費や壊れた物の修理代金等がこれにあたります。これに対して、 消極損害とは、交通事故がなければ得られるはずだった利益が交通事故に遭ったことにより得られなくなった利益 (この利益を、「逸失利益」といいます。)についての損害をいいます。入院して会社を休んだためもらえなくなった給料 などがこれにあたります。
 以上を、整理すると、次のとおりとなります。

1 被害の客体、対象に着目した分類
  (1)人身損害
  (2)物損
2 発生した損害の内容に着目した分類
  (1)財産的損害
  (2)精神的損害
3 発生した損害の性質による分類 (財産的損害の分類)
  (1)積極損害
  (2)消極損害


Q1−2 交通事故によって傷害を負ったときの損害の種類について、簡単に教えてください。

 交通事故によって傷害を負ったとき、まず、その傷害を治療するために支出した治療費が、財産的損害のうち 積極損害に分類されます。
 次に、通院や入院などによって、仕事を休んだため給料がもらえなかった場合、そのもらえなかった給料分について の損害が、財産的損害のうち消極損害に分類されます。休業損害といわれることが多いです。
 さらに、通院や入院の期間中の苦痛や不快感などが精神的損害に分類され、これを賠償するものが慰謝料です。

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Q1−3 交通事故によって傷害を負ってしまったのですが、治療によっても完治せず、後遺障害等級認定を受けました。 Q1−2の回答で説明された以外の損害があると聞きましたが、どんな損害があるのですか。

 交通事故によって発生した傷害について、損害保険料率算出機構などにより後遺障害等級認定を受けた場合、 上記Q1−2の回答で説明した損害の他に2つの種類の損害が生じることになります。
 その一つは、後遺症逸失利益についての損害です。後遺症逸失利益とは、後遺症により稼働能力の 全部または一部を喪失して働くことができなくなったために得られなくなってしまった利益(給料など)のことです。 この後遺症逸失利益の賠償は、人身損害のうち、財産的損害、消極損害を填補するものです。
 もう1つは、後遺症によって強いられた苦痛や不快感などについての損害です。この損害は、 人身損害のうち精神的損害に分類されます。この損害を賠償するのが後遺症慰謝料です。

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Q1−4 死亡事故の場合の損害の種類について、簡単に教えてください。

 交通事故により被害者が死亡した場合、まず葬儀が行われ、その費用の支出を余儀なくされますので、 これが、財産的損害のうち積極損害に分類されます。
 次に、死亡したことにより、その後働いて収入を得られなくなってしまうわけですから、この逸失利益の賠償 については財産的損害の消極損害に分類されます。
 最後に、死亡したことに対する慰謝料が発生し、これが精神的損害を填補するものです。

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